【小説】さまよう刃

一人娘を暴行の果てに殺された長峰重樹の復讐劇。

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寺尾聰主演で映画館されているので、ストーリーをご存知の方が多いでしょうが一応…

以下、重大なネタバレを含みますのでご注意ください。




警察・犯人・復讐者の三つどもえの追跡と逃亡に加え、一般市民からも長峰の情状を鑑みた意見が警察に寄せられ、警察自体も長峰の逮捕に疑問を感じさせる一面もあり、読者としてもなんとか復讐を遂げさせたい思いに駆られます。




そんな長峰が犯人グループの一人、伴崎敦也の部屋に侵入しての殺害シーン。
これは壮絶でした。

男性ならばきっと下半身がむず痒くなってしまう事でしょう。

そしてこの瞬間に「あぁ、殺人の門くぐったな…」と。




復讐の炎を絶やすまいと、犯人グループが撮影した娘の凌辱シーンを自分のノートPCに取り込み、それを見ては涙しながらも、仇打ちこそを生きがいとし犯人を捜し求め追い詰める長峰の姿こそ、まさにタイトル通り『さまよう刃』と、思わせてか~ら~の~…

東野作品にありがちな事ですが、タイトルの出所はそんなに短絡的な物じゃなく「そっちか~!」としてやられました。

よくよく考えてみれば、長峰が凶器として持ち歩いていたのは「刃」ではなく「銃」でしたね。




物語中盤から条件付きで長峰に協力する丹沢和佳子は、孤軍奮闘する彼にとって心強い味方となるも、最後のタレコミで「おい、やめろ!」と言いたくなります。




それと忘れちゃいけないのが謎の密告者。
(いましたね、もう一人の協力者)

この密告者の正体こそが物語最大のミステリーとなっているわけですが、Rockyは密告者が中井誠じゃない理由が散りばめられている事に後で気がつきました。もったいない…




全編通してほぼ長峰茂樹を主人公として描かれてますが、最終的には主犯格の少年、菅野快事を追い詰めた場面でプッツリと途切れてしまい、その後は織部刑事がラストを引き継ぎます。

で、読者はその回想シーンの中で長峰は織部により射殺された事を知るのですが、そんな長峰の最期の扱い方が悲しすぎますね…

全てを投げ出し、復讐を遂げれば自らの命も捨てる覚悟で目の前のターゲットに照準をさだめ、引き金を引く寸前に、刑事から背中を撃たれる無念さはいかほどでしょう!

刑事が撃つぐらいだから、おそらく急所は外し、即死ではなかったでしょうから、事切れる直前の長峰の心情や最期の言葉なんかを、復讐のもう一つの幕引きとして表現して欲しかったと思いました。









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