【小説】ゲームの名は誘拐

狂言誘拐を企て、身代金を手に入れようとする男女。
誘拐をゲームと称して駆け引きを楽しむ先にある意外な結末…

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以下、重大なネタバレを含みますのでご注意ください。






押さえておくべきキャラが少ないので読みやすい分、伏線が張り巡らされてあろう件がチラホラ出てくるので気が抜けません。

しかし少ないキャラでもクセ者揃い!というより悪人揃い!

ダイイング・アイのキャッチコピー『東野圭吾だからこそ書きえた悪い奴ら』は、こちらの作品の方がしっくりくるぐらいです。

もちろん主人公の佐久間は狂言誘拐の発案者なので、その辺りが悪っちゃ悪なんだけど、それ以前にキザったらしさと女性関係のだらしなさが悪!

とはいえ、煙草を吸わない理由は頷けました。
言い回しはやっぱり回りくどかったですが…

あと余談ですが、彼の台詞は全てビバヒルのブランドン(吹き替え版)のイメージで読み進んでだいたい合ってます。

そんな佐久間の悪も可愛らしく思えるのが葛城家の父娘。

樹理(前妻との娘)千春(本妻との娘)を殺害したからといって、何も動揺しないばかりか狂言誘拐を逆手に取り樹理を庇うなんて、いくら自称ゲームの達人とはいえ、ゲームと呼べる範疇を超え過ぎです。

そこまでの悪を相手にしてしまった佐久間は、運とタイミングが悪かったとしか…

しかし、その分の運が狂言誘拐中に回ってきたんでしょうね。

完璧主義の彼にしては、タクシーでの尾行から始まり、FAXでの脅迫状送信、あと時代設定もあるでしょうがフリーメールを過信してる点など、どう考えたって雑な行動が多々あるにもかかわらず、一向に捜査陣の手掛かりとしてヒットされてません。

利用してたつもりが利用されてた…そんな逆転オチでは終わらず、佐久間はもう一手だけ保険として切り札を用意してましたが、それも葛城勝俊からしてみれば悪足掻き同然ですね。

佐久間自身、あの写真が手の内にある限り勝俊と均衡の立場を維持できると考えているのでしょうが、その切り札を明かしてしまった以上、勝俊が黙って一部下と肩を並べるに落ち着くはずもなく、証拠隠滅の強硬手段に出る事は確実でしょうし、何より勝俊の用意した犯人特定の痕跡の方が強力です。

「我々が庇う」の言葉の裏には、庇わない事も出来るというニュアンスを仄めかしているのかと思われます。

物語のラストは佐久間と葛城家との複雑な関係の始まりとして締めくくられていますが、おそらく佐久間駿介の未来は明るくないでしょう。

良くてせいぜい飼い殺しか?








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