【小説】謎解きはディナーのあとで2

令嬢刑事麗子と風祭警部の前に立ちはだかる事件の数々。執事の影山は、どんな推理で真相に迫るのか。そして、「影山は麗子に毒舌をいつ吐くの?」「二人の仲は、ひょっとして進展するのでは?」「風祭警部は、活躍できるのか?」など、読みどころ満載な上に、ラストにはとんでもない展開が待っていた!?―。

「BOOK」データベースより

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以下、重大なネタバレを含みますのでご注意ください。






第一話 アリバイをご所望でございますか?
「失礼ながら、お嬢様は相変わらずアホでいらっしゃいますね。----いい意味で」


第二話 殺しの際は帽子をお忘れなく
「お嬢様は冗談をおっしゃっているのでございますか」
「もしそうだとすれば『ウケる~』でございます」


第三話 殺意のパーティにようこそ
「お言葉を返すようで恐縮ですが、お嬢様のほうこそ、どこに目ン玉お付けになっていらっしゃるのでございますか」


第四話 聖なる夜に密室はいかが
「大変失礼ながら、お嬢様の単純さは、まさに幼稚園児レベルかとおもわれます」


第五話 髪は殺人犯の命でございます
「これだけの情報を得ておきながら、まるで真相にたどり着けないとは、お嬢様は頭がお悪いのではございませんか?」


第六話 完全な密室などございません
「まさにお嬢様のおっしゃったとおりでございます。確かに、お嬢様の凡庸な閃きなど、誰かに話すようなものではございません。聞くだけ時間の無駄でございました」


忠犬バトラーの推理?
「失礼ながら、お嬢様、そのような馬鹿げた謎解きは、犬の晩御飯の後にでもお聞かせくださいませ」


↑それぞれの話で影山が吐いた暴言をまとめてみました、意味もなく。




全体的にミスリードを誘ってる感まるだしのキャラ数が気になりますが、そう思うのも前作からの読者だからでしょうね。

特に第三話の容疑者として選ばれた「麗子の同窓生三人+一般客二人」は多すぎじゃないでしょうか。

ただ桐生院綾華のあの強烈なキャラは必要ですね。

やっぱり、人は誰しも自分と似通った相手とは角付き合わせるモンなんですね。

似通ったといえば、麗子は帽子屋で、風祭警部は喫茶店でそれぞれカモられたり、疲れよりも身だしなみを優先したりと、こちらも共通点がみられました。

そして麗子もついに観念して(?)ジャガーに乗る羽目に…しかも運転!

ともすれば「二人の仲は、ひょっとして進展するのでは?」は、こちらの話だったほうが笑わせられますね。




トリック面でいえば、第四話のスケート靴が綱渡り的アクロバティックで印象に残りました。

自転車の細いタイヤ痕を必死で渡る犯人を想像させての笑どころなのでしょうが「物のもう一つ別の使い道」をいつも模索しているRockyには目からうろこでした。




珍しいストーリー運びなら第五話でしたね。

一切の証拠がないので、影山の飛躍しすぎな仮説止まりに思えます。

「それこそまさに警察のお仕事」と、裏付けを麗子に丸投げしているあたりに「ミステリとして、ここで話を終わらせていいのか?」なんて疑問に思った話でしたね。




そして何といっても第六話!

色々な密室事件を読んできましたが、これは…最も無茶苦茶な密室トリック!

結局『謎の女』は謎の女のままなのはトリックだけにスポットを絞りたかったのでしょうが、もはや「実は抜け穴があった」とかいうレベルを通り越してます。

怒りに任せた麗子の本音(?)は影山の耳にとどいていたのでしょうか?

風祭警部が聞いていたらますます増長していたでしょうね。




おまけエピソード的な『忠犬バトラーの推理?』は、思いつきでやりたかった事を、本シリーズの設定に縛られずにのびのびと書いている気がします。

麗子が迷子になるほどに広大な庭に、たった八畳程度のアトリエ小屋ってだけで釣り合わないのに、中には窓用エアコン

大富豪の趣味部屋がたった八畳窓用エアコンですと?!

しかも施錠はダイヤル錠がたったの一個…

このチープ感は【鯉ヶ窪学園シリーズ】に収録するべきだったかも…

全ては『トリックありき』で進んだ話でしたね。




犯人探しや動機探しは二の次、とは言えトリックも従来のミステリでは考えられない破天荒なものばかり。

やっぱり東川篤哉作品は笑う為にあるのだなと痛感しました。

そこに思い当たると(ふっきれると?)3の文庫化が待ち遠しいですね。





























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